新たなウイルスが襲来する
ネクローシスからアポトーシスへ転換
新型コロナウイルスの世界的感染が止まらない。医療先進国を中心にして広がりつづける謎のウイルス。最先端の医薬も治療法も医療機器もパンデミックを阻止できず、ウイルス変異による更なる波状攻撃が予測されている。これに対して化学から科学へと視野を広げ、対症医療(ネクローシス)から体質改善(アポトーシス)へと発想を転換することが必要ではないだろうか。
私方からは「日本の過疎地で生産する冬虫夏草(BGS)が今後のウイルス感染防止に最適である」と以下論文を添えて提案いたします。
はじめに
中国から韓国、イタリアに飛び火して、世界全体に広がりをみせる新型コロナウイルスのパンデミックが止まらない。これに対する有効な医薬や治療法は見あたらず、その上に、ウイルスの正体や特性に詳しい識者もいない。こうした折、スペイン厚生省は「全国で25万人余りの感染が確認されたが、このうち医療従事者が18%を占めている」と公式発表、5月に入っては「感染者の7割超が医療従事者」だと、医療先進国そのものが脅かされている実情を語った。日本政府は国民擁護と経済回復に向けて、100兆円に達する血税を準備したが、しかしながら今回の新型コロナウイルスが終息したとしても、これで全てが終わるわけではない。思い起こしてみると日本のコロナ禍は、たった一人の香港人から始まった。
この男性は今年1月17日に空路東京を訪れ、20日に横浜港でクルーズ船に乗船、鹿児島を経由して香港に戻り下船した際にウイルス感染してることが分かった。彼が何のために日本に来て何の理由でこの船に乗り込んだのかは定かではないが、はっきりしていることは、今後こういうことが何度でも繰り返されるということである。発熱前に日本に入って、飛行機に乗り新幹線に乗りタクシーに乗ってウイルスをばらまく悪しき人物を見分けることは、今の日本体制下ではまず無理だと思える。
その上に、アフリカ諸国ではすでに動物感染型のウイルスが猛威をふるっており、これらが変異して、いつ何時、人類に襲いかかってくるかも知れない。その都度、多くの国民が犠牲になり院内感染がおきて、学校も会社もデパートも休みになって経済が大幅に落ち込む。またしても政府が、これらの補填と復興のために血税の投入を繰り返すなら、いずれ国家は崩壊してしまうだろう。今回のコロナ禍を参考にしながら真実を見極め英知をしぼり、抜本的な大改革を断行しなければならない。
本稿は筆者が研究開発する冬虫夏草(BGS)が「あらゆるウイルスへの対抗措置として最適である」と提言をするものである。未知のウイルスを招き入れない方法はこれしかないと確信を持って提案し公開することとした。化学から科学へと思考を広げ、全く新しい自然の力の活用と副作用のない治療方法を早々にも確立しなければ、日本は何度でも同じ轍を踏むことになる。
背景
今回のパンデミックについて特筆すべきは、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリアなど医療先進国といわれてきた国々で、医療崩壊の危機に直面しているという現実である。
治療方法も治療薬も手探りで、医療スタッフも施設も器具も感染防御用のマスクや防護服までが不足するというなか、医療現場は不眠不休の過酷な状態にさらされていた。多くの医療スタッフが院内感染による被害を受け、これがまたクラスターとなって二次的三次的な感染拡大へと繋がっていった。
報道によってこの現実を知らされた人類は、非常に不可思議な光景を目の当たりにした。惑星探索にロケットを飛ばし、ミサイルがピンポイントで標的を撃破し、先進医療機械が身体のすみずみまで解明するという近代文明の極みの中で、その最先端であるはずの医療スタッフがもがき苦しみ、政府高官でさえも感染して隔離されるという映像に「ウイルス戦争」の勃発を連想したものも多い。
遅ればせながら日本政府とアメリカ合衆国政府が、インフルエンザやエボラ出血熱の抗ウイルス薬を新型コロナ治療薬として承認するという動きにでているが、これも、インフルエンザウイルスにも新型コロナウイルスにも効くというエビデンスはなく、アメリカ人が副作用に耐えられるのだから日本人も耐えられるというエビデンスも臨床記録もない。
さらに国民を不安に陥れているのが、このウイルスが何物で何処に向かおうとしているのか、という疑問である。中国武漢で流行っていたS型からイタリアやアメリカで流行っているL型に変異したのか、その真相も原因もタイミングも明確にされないままだから、またいつ何時、ウイルス変異して第2波、第3波が襲来するのではなかろうかという恐怖がある。
第一次世界大戦から1世紀の間に、スペイン風邪、アジア風邪、ホンコン風邪など、新型コロナ禍をはるかに上まわるパンデミックを経験してきた人類。今回のようなパニックにならないために、次なるウイルスの襲来に向けた準備を整える必要がある。
医療器具と検査機器、そしてウイルス変異しても対応しうる手段と、副作用がない特性を持ち合わせた特効物質を備えることこそ急務だと考える。
冬虫夏草(BGS)摂取記録
本項は、筆者が研究開発した冬虫夏草(子嚢菌門ボタンタケ目ノムシタケ科)を食べながら健康を回復した体験者の記録である。医学経験者によっては「漢方系は即効性がないので病態を悪化(手遅れ)させる」と切って捨てる向きもあるが、先ずは以下の記録を確認して判断をして戴きたい。そしてこの食品を摂ることがウイルスに対して如何に作用し、人体に対してどのような効果をあげるのかについて、識者の方々とともに解明を進めてゆきたい。
なお、筆者は1993年に台湾・中国で 冬虫夏草の研究(日本人が国内で栽培できる培養基)を始めて2003年に国内で初となる大量栽培試験を成功させ特許権を取得し、食品としての普及を始めている。以来18年、栽培基地は全国10数カ所に広がり、これらの栽培者は6次化産業補助金を交付していただいたり、ふるさと納税返礼品に指定してもらうなど地方行政に認められ、且つ、健康を志向する多くの方々にも信用を積み重ねている。そうした中で、本食材を摂りながら難病を克服された方から貴重な記録が寄せられているので、以下に紹介する。
1)多系統萎縮症(オリーブ橋小脳萎縮症)
発病者:M.KUWAHARA(74才男性)
発病から5年目から冬虫夏草(BGS)を食べ始める
摂取期間:平成28年5月~現在
指定難病17(MSA)。オリーブ橋小脳萎縮症、嚥下障害による喘息、狭心症に苦しみ、MSA発症から5年目に半信半疑で食事革命を始める。発病から6~7年が限界だといわれた不治の病だが、すでに10年が経過して体調は健康そのもの。現在は下肢のリハビリに専念しており、早々なる農業復帰をめざしている。
(投稿)闘病記録ホームページ
2)C型肝炎~肝臓癌切除~再発
発病者:H.MATOBA(74才女性)
肝臓がん再発後に冬虫夏草(BGS)を食べ始める
摂取期間:平成23年7月~現在
C型肝炎から肝硬変を経て肝臓がんを発症。肝臓1/4を切除したが、C型肝炎が完治せず。2年後に肝臓がん再発し、筆者が指導した食事療法を開始。まもなく肝臓がん・C型肝炎・肝硬変ともに完治(担当医)した。10年が経過するが、肝臓は健康そのものである。
(投稿)闘病記録ホームページ
食事療法10年の検査記録:Excelで別送可能
3)肺癌がリンパ節転移で余命5年
発病者:T.NARUSE(70才女性)
リンパ節転移から冬虫夏草を食べ始める
摂取期間:2017年10月~現在
担当医から余命5年の宣告を受ける。抗ガン剤の副作用に耐えられず、化学療法を打ち切る。食事革命に専念して8ヶ月でがんを克服、リンパ節の影も消滅した。
(投稿)闘病記録ホームページ
4)乳癌がリンパ節転移、手術せず
発病者:K.ISHIZAWA(76才女性)
手術直前から冬虫夏草(BGS)を食べ始める
摂取期間:2019年9月~現在
19年9月、左乳がんステージⅢ(腫瘍40ミリ)で腋窩リンパ節転移。担当医から左乳を全摘して抗ガン剤治療をしなければならないと伝えられパニック症が再発。以降、手術を回避して食事革命を開始した。2020年3月に腫瘍マーカー(CEA)が基準値を下回り、胸のしこりがなくなってリンパ節の影もなくなった。
(投稿)闘病記録ホームページ
5)胃癌が肝臓転移し余命3ヶ月
発病者:M.KUBO(81才男性)
余命3ヶ月から冬虫夏草(BGS)を食べ始める
摂取期間:2019年11月~現在
国立がんセンターで検査の結果、下部食道噴門部ならびに胃体部小彎に3号腫瘍あり、リンパ節転移、肝臓転移という末期的状態。
余命3ヶ月と宣言され体重が30kg台に。自宅養生に切り替え冬虫夏草(BGS)を摂取を開始した。 摂取2ヶ月、20年1月30日の検査で「噴門部の腫瘍はほぼ消滅して、リンパ節転移、肝転移も確認できず」と、同がんセンターで診断、体重も50kgを超えて回復基調にある。
(投稿)闘病記録ホームページ
闘病記録の内容は、筆者が食事療法を主宰する日本自然療法協会に寄せられた投稿(検査データ)を基にして食事革命ホームページに公開されている。
本協会では「悪いものを食べれば身体を壊し、食べ続ければ命を落とす。良いものを食べれば元気がでて、食べ続ければ健康になる」という食の基本原理を普及するが、本稿に記載する冬虫夏草(BGS)は下記写真のように食用菌であって、収穫したものはキノコ乾燥品である。
肝がん細胞が2日で消えた
肝がん細胞に冬虫夏草を投与前
前項5例の体験記は、いずれも異常細胞が消滅して正常細胞が復元されたことを伺わせる内容である。これらの体験者には食事革命に基づいた食材を勧め、いっしょに冬虫夏草収穫物(乾燥粉末)を食してもらった。そうしたなかで、勧めた食材の何に異常細胞を消滅させる効力があるのか疑問に思い、先ずは冬虫夏草(BGS)収穫物を国内の製薬会社研究室に依頼して実施したのが(左写真の)がん細胞増殖抑制試験である.
検体(左)には筆者が開発し広島江田島で栽培した冬虫夏草(BGS)の熱水抽出溶液を微量投与(0.001~0.1ml)して3例のデータを採取した。但し、本試験は製薬会社試験室の判断で行われており、筆者が試験方法に関与したり、もちろん白血球や食細胞、薬品などは投与していない。
肝がん細胞が2日で消えた
冬虫夏草を投与48時間後
冬虫夏草(BGS)の水溶液を微量投与したところ、48時間後には85%以上のがん細胞が消滅(右:アポトーシスと考える)していた。
これを見るかぎり投与して2日目には、がん細胞の大部分が消滅しているように見える。検体に食細胞は存在しないし崩壊した細胞群も見あたらないのに、いたって迅速にアポトーシスが成立するという結果がでている。本文以下では、これがいったい何故なのかという解明を進めてみたいと思う。なお、この投与量を人体換算(60kg)すると、3g摂取量に相当する。
他社冬虫夏草との比較試験
肺腺がん細胞に冬虫夏草を投与
添付したデータは、民間の医療機関が実施した細胞阻害試験の比較データである。左側には弊社が納入した冬虫夏草(下左)の測定値を赤線グラフで、右側はカイコに注射器で菌糸を打ち込んで発生させた他社のタイプ(下右)を黒線グラフで表示している。試験はヒト肺腺がん細胞を検体として培養、これに各々の納入品の熱水抽出液を増量しながら投与して、検体の状態を測定したものである。ちなみに、データの黒枠部分は他社の会社名と商品名であるが、公開にあたっては不必要なので網掛けした。
使用したがん細胞はA549(ヒト肺腺がん細胞)で、投与72時間後には冬虫夏草(BGS)の場合、95%のがん細胞が消滅している。これは、前項の試験データ(写真測定値)を裏付ける結果であるが、こちらも同じく人体換算すると3g摂取量であった。
一方の他社タイプは、同じ条件下ではほぼ増減がない。よって、がん細胞の増殖を抑える効果が期待できるものの、アポトーシス誘導は無いという結果となった。
冬虫夏草とアポトーシスの関係
前記した冬虫夏草(BGS)を食べながら元気を取り戻した記録5例、そして前項の細胞阻害試験(他に16例の測定データがある)の結果から、冬虫夏草には間違いなくがん細胞を消滅させる効果があることが明白になった。仮に、がん細胞が破壊死(毒素毒性)による消滅ならば2日間という短期間だから、白変した細胞片や細胞膜の断片が見えるだろう。こうした残骸もなく綺麗に細胞消滅が行われているということは、細胞自身のアポトーシスによるものと考えても良いのではないかと思う。ではどうなってアポトーシスが成立するのかという疑問に対して、がん細胞やウイルス感染細胞などと冬虫夏草との間にどのようなメカニズムが働くのかを考えてみた。
1)アポトーシスは生体に備わる機能
細胞内には生体活動を担うライソゾームという小器官があり、細胞分裂に必要な物質を合成したりアポトーシスに必要な物質を生成している。また、新陳代謝に向けた活動をプログラムされたとおりに指令し実行し、役目が終わると分解消滅してしまう数種類の「酵素」というミネラル結合タンパクが貯蔵されるスペースでもある。
人体60~90兆個もの細胞は、それぞれが生体維持に向けた活動を行っているが、疲弊してくると、同じ役目を担う新たな細胞を形成(細胞分裂)した後に、疲弊した方の細胞はアポトーシスに向けた消滅行動(プログラムされた細胞死)を自動的に進行させる。その際にライソゾームから核酸分解酵素ヌクレオチダーゼなどが放出されて遺伝子を粉砕し、続いてタンパク分解酵素プロテアーゼなどが放出されて疲弊したタンパク質を分解する。これら酵素による内部からの分解によって細胞は(まるで風船の空気が抜けるように)収縮し、周辺細胞に被害を与えることなく出血も痛みもなく、最終的に微少な固体となって食細胞に食べられてしまう。人体の細胞の殆ど(脳細胞を除く)が、このような周期を繰り返しながら若さと健康を保っている。
2)癌細胞はアポトーシスしない細胞群
上項は一般的な細胞のアポトーシスであるが、これに対して、がん細胞のアポトーシスについて考えてみた。調べによるとこれらは放射能・光線・音波・微粒子・化学成分など外的要因によって遺伝子が損傷を受けて、プログラムされていない遺伝子情報を基に増殖した細胞群だという認識に到った。
遺伝子情報が「アポトーシス不要」なら細胞分裂の際に、がん細胞は消滅することなく臓器に着床して大きな肉塊(悪性腫瘍)に成長しながら生命活動を阻害し、これによって様々な病態を引き起こす。このメカニズムを要約すると、がん細胞は核酸分解酵素が放出されずタンパク分解酵素も放出されないので、分解されることなく増加し続けるとも理解できる。
「がんに罹る」ということを考えてみると、物理的化学的など外的要因から遺伝子情報に狂いが出るということは納得できるが、原因が思い当たらないのに罹患したというケースも多いはずである。がんの原因を「外的要因だ」と決めつけずに、ごく自然に「分解酵素の生成が不足してたからアポトーシスしなかった」という方が正解ではないだろうか。
では、何故に酵素の生成が不足するのだろうか。その第一は、酵素の構成成分である遊離アミノ酸と微量元素の摂取(分解吸収)が不足するからである。
3)ウイルス感染細胞のアポトーシス
がん細胞と同じように免疫細胞から「非自己」と認識され攻撃の対象となるウイルス感染細胞(以下「感染細胞」という)は、アポトーシスするのだろうか、この答を急ぐ前にウイルスについて簡略に検証してみたい。
ウイルスとは、動物、植物など地球上のありとあらゆる生命体を宿主としてその細胞に侵入し、子孫を繁栄させる地上最小単位の生命体(異論があるだろうが)である。ウイルス専門学会の調べによれば、地上には約3万種が存在していて、その中のほぼ2%が人間に感染する可能性があるとされている。
ウイルスのサイズは平均的に0.1μmほどで人間細胞と比較すると、ほぼ1/100である。外面に細胞壁や細胞膜はなく「カプシド」と呼ばれるタンパク質の殻で増殖に必要となる核や遺伝子を保護している。
ウイルスの多くは哺乳類や鳥の細胞に侵入して増殖するが、変異して人類に感染し、インフルエンザ、ポリオ、天然痘、日本脳炎、肝炎、風疹、おたふくかぜ、肺炎、皮膚疾患などを引き起こして猛烈に感染拡大することも過去にあり、感染者が命を失うとウイルスも侵入した細胞の中で増殖活動を終えてしまう。
歴史的には、紀元前5世紀ごろに「医学の父」と謳われたギリシャのヒポクラテスが狂犬病の感染について研究していたという記述もあるように、人類は長い年月をかけてウイルスと戦って数多くの犠牲を出しながら、なんとか勝ちを収めてきた。
ウイルスは細菌と違って、自らの力で細胞分裂して増殖することはないし、栄養を摂取(吸収)して廃棄物を排泄することもない。ただウイルスは下のイラストのように、宿主(人)の細胞に侵入してその細胞核を利用して増殖を繰り返すのみである。皮膚から浸入しようとするものもいれば口からとか眼からとか侵入の仕方はいろいろだが、先ずは粘膜に付着して増殖し、肺に飛び込んで更なる増殖をする種類のウイルスは①のとおり肺胞細胞のレセプターに密着し、やがて肺胞細胞Aに侵入②を始める。次にカプシドと呼ばれるタンパク質の殻がウイルスを囲んだら侵入は完了③していったん休止状態となる。やがて③が細胞の核膜に接触すると殻④が破れて遺伝子RNA⑤が飛び出して中央の細胞核Bに入り込み、遺伝子情報にしたがってタンパク合成⑥して、全く同じ形状の第2次増殖ウイルス⑦の複数個がコピーされる。
そして徐々にウイルスの形に熟成⑦してくると出芽⑧と呼ばれる、ウイルスが細胞から外に出る準備が始まる。出芽が進むと第2次増殖ウイルスは細胞から外部に放出⑨され、第3次増殖、第4次増殖に向けた活動を繰り返してゆく。これが、感染から増殖までの一連の行動である。
生体が健康であれば上図細胞Aにウイルスが侵入した時点でタンパク分解酵素や核酸分解酵素が分泌され、ウイルス③の状態のままでアポトーシスが始まる。つづいて細胞Aを構成するタンパク成分が消滅してウイルス③を含んだまま微小な個体となって、後に食細胞の餌食になる。
体調が悪くて酵素の分泌がない場合は、ウイルスは脱殻④してRNA遺伝子を細胞核Bに移転することを許してしまい、大量の増殖⑥をみることになる。
4)蚕のアポトーシスから酵素を知る
やや横道にそれるが、筆者の父親は肝臓がんで死去している。自身が研究を始めるようになったきっかけは、やはり「がん細胞を撲滅する何かを見つけたい、リベンジを果たしたい」というものだった。その想いを胸に、薬膳先進国である台湾、中国で研究に及んだ経緯がある。
この研究開発で追い求めたのは昆虫に寄生する食用菌で、その中でもっとも着目したのがカイコ(蚕)である。カイコはふ化して、わずか1ヶ月で体重が10000倍になる。これには桑葉を大量に食べるという要素もあるが、注目したのは大量過ぎるほどの炭水化物を消化して生体タンパクに変化させるという謎であり、つづいて営繭(えいけん)から羽化して成虫になるの際にイモムシがどうやって蛹(サナギ)になり、蛹から羽根のある蛾になるのだろうかという謎だった。解明に向けて、繭玉の中のイモムシを見てみると黄色の液状(下5日)になっていて(明らかにイモムシが溶けて)その後に、液状からタンパク質を再合成して蛹(下6日)になり、そして蛹の中で再び、まるで形状が変わった蛾となって羽化(下23日)する。
アポトーシスとタンパク再合成を明確に示すのが、足の数である。イモムシの段階では胸に6本、腹に8本、尻に2本で合計16本の足があるが、繭の中では全てが消滅して羽化する時には胸に6本だけ再合成されている。 これらのスケジュールにはばらつきが無く、あるプログラムに乗っ取ったように一定のリズムで行われている。
この2つの謎が解決できたのは、酵素というものの存在を知ったからである。膨大な桑の葉を消化吸収しながら巨大なイモムシの組織を形成したのは、消化酵素とタンパク合成酵素。さらに、イモムシが繭玉の中で溶けたのはタンパク分解酵素。成虫になる時期を迎えるとタンパク合成酵素が放出されて、蛹の中で液状のアミノ酸から蛾のタンパク質へと変化する。さらに蛹から蛾となって羽化するときも、蛾の口からタンパク分解酵素が放出されて、繭玉の外殻にあたる絹糸を溶かしていることも分かった。
桑の葉には、アポトーシスに関わるタンパク質分解酵素の生成に必要とされるテアニンなど遊離アミノ酸と亜鉛、鉄分、カルシウムなどのミネラルが豊富で、これを猛烈に食べることから(桑の葉しか食べない)カイコには酵素の働きの全てが顕れているのである。
5)遊離アミノ酸から酵素の生成
酵素が盛んに研究されだしたのは19世紀後半で、したがって、まだ殆どが解明されていない段階にある。しかしながら「アポトーシスに関しては非常に大きな要素」だということが理解できると思う。
また、酵素を知る上で「遊離アミノ酸」も同時に理解してゆかねばならない。これはアミノ酸の単体(連鎖していない)の状態であるが、基本的にタンパク質を形成するための物質ではなく、またタンパク質の分解が進んで、ペプチドからさらに分解されたものでもない。あくまでも遊離アミノ酸は、酵素を形成するための構成物質として存在しているのである。
参考として、生命体の創生について自説を簡単に述べてみる。地球創生から数億年が経過して、無機質だった地球は地域差から高温地帯と低温地帯に分かれて、冷えた地域から海ができてた。そこに激しく落雷が降り注いで、この電気ショックから空気中の窒素・酸素・水素が反応して遊離アミノ酸が形成(ユーリーミラーの実験で実証)された。海水のなかに含まれるミネラル(地球鉱物)と遊離アミノ酸が結合して酵素が誕生。酵素は(鉄が磁力に引かれるように)ある一定の動きを持っていて、アミノ酸を集積し繋ぎ合わせてタンパク質をつくった。このように亜鉛と反応するもの鉄と反応ものリンと反応するものカルシウムと反応するものなど、いろんな種類のタンパク質ができて、それぞれが個々にプログラムされた動きをするようになった。これが、酵素と遊離アミノ酸によってもたらされるタンパク合成(生命体)の始まりだと理解している。
タンパク質を構成するアミノ酸はバリンやロイシンなど20種類であるが、遊離アミノ酸はこの他にもカルニチン、オルニチン、タウリン、シトルリンなど約140種類にのぼる。最近では研究が進んできて、酵素を含めてサプリメントの素材として利用価値が高まってきた。このほかにも、まだまだアミノ酸は自然界に多数存在しており、一説では500種類ともいわれている。地球上、様々なキノコや昆虫に含まれる遊離アミノ酸は、人類が知りもしない未知のアミノ酸であるかも知れない。そして、異常細胞をアポトーシスする酵素を作りだしている可能性もある。現時点ではエビデンスはないが、筆者のこの仮説をきっかけとして、これから多くの研究者が遊離アミノ酸を、酵素を、そして異常細胞のアポトーシスを研究してくれると思う。人類がウイルスとの戦いに勝利するために。
冬虫夏草は昆虫に寄生してその体内からアミノ酸とミネラルを奪いながら子孫繁栄をつづける食用菌であることから、蛹の酵素成分を 冬虫夏草に移転することができるとすると、そして国内で栽培し収穫してこれを国民が食べるとすると、結果として、代謝が促進され成長が促進され、さらには、がん細胞のアポトーシスが促進されるであろうと、とてつもない夢を描いていた。
中国と日本の冬虫夏草 分類
中国で有名な冬虫夏草
1)チベット産冬虫夏草(Cordyceps sinencis)
漢方薬として有名な上記種類は生薬の本場中国で冬虫夏草と称され、4000年の歴史と金銀財宝に匹敵するほど貴重で希少なものだった。中でもチベット自治区や青海省の高原でコウモリガに寄生する種類(下左)が特に有名で、秦の始皇帝や楊貴妃が不老長生の逸品として愛用し、近代では、世界陸上競技大会で世界新記録を立て続けに樹立した「馬軍団」や51個の金メダルを獲得した「北京オリンピック」の快挙など、スポーツ能を高めるための生薬として世界を驚かせた。しかし現在はチベット地域の環境変化と乱獲が原因となって、ほぼ絶滅している。
2)生産が始まった蛹虫草(Cordyceps militaris)
中国では冬虫夏草に代わって、人工生産物が漢方市場を賑わすようになってきた。昆虫に寄生する種類(ノムシタケ属)を「虫草」と区分してカイコの蛹に直接、注射器で虫草菌糸を植菌(下左)して発生させる。蛹の持つ豊かな栄養分を虫草に移転しようとする狙いは筆者と同じであるが、自然界の発生場所に見るように栄養豊富な腐葉土やミネラル豊かな土壌から由来する栄養分が足りていない。したがってその評価は「臭い汚い効かない」と揶揄されるように芳しくなく、冬虫夏草の栄光とはかけ離れた代物になってしまった。
3)朝市で買える虫草まがい品(Claviceps)
最近の中国では、植物・穀物に寄生する種類(バッカクキン属:分類参照)が朝市や食品売場に登場して「虫草花」とか「北虫草」という名称で簡単に栽培(下写真左)ができて、エノキダケ同様に安価に販売(下写真右)されるようになってきた。分類では冬虫夏草のようなノムシタケ科ではなく、元来は穀物の穂先に寄生する種類である。
また、蛹虫草と外見がよく似てるため「虫草が安売りしている」といったように、消費者の誤解を招きやすい種類でもある。
4)日本ので普及している冬虫夏草
日本では、昆虫に寄生するキノコの殆どが「冬虫夏草」と区分されている。筆者が2003年から始めて特許を交付された容器で栽培するタイプ(下左)も、中国式にカイコの蛹に注射器で液菌を植え付ける他業者タイプ(下右)も、どちらも冬虫夏草で間違いはない。
虫夏草 は筆者が研究してきた培養方法だが、この方法は中国ではまるで人気がなく、最近になって、ようやく大学が研究するようになってきた。
5)冬虫夏草の品質について
前記した試験データから冬虫夏草にも種類と培養法がいろいろと有り、それによって大きく品質や効果効能が違ってくることも理解されたと思う。では、良い品質と悪い品質のどこが違うのかについて、相違点を記述してみる。
冬虫夏草の最高級品は、中国チベットに自生する種類である。では、チベットの何が優れるから冬虫夏草が素晴らしくなるのかについて説明をする。
第1(上左)は、チベットの有する地質にある、当地は5000万年前までは海底だったが、大陸の衝突によって隆起してヒマラヤ山脈となり、チベットはその北麓3000~4000mに位置する。特徴は、海底に堆積したミネラルと火山爆発で噴出した地底のミネラルが混合する土壌にある。
第2(上中)に、チベットの地形とそこに繁茂する植物にある、当地は高山であり赤道に近く、太陽光線(紫外線)が激しく降りそそぎ、夏冬昼夜の温度差は80℃に達する。本来なら不毛の地だが、上述したように、特殊なミネラルが豊富な土壌がある。その地に育つのは温度差や光線を遮断するフィトケミカルが豊富で、きわめて強靱な生命力を持った植物のみである。
第3(上右)は、過酷な自然環境で繁茂する植物を食しながら、数千年にわたって積み上がった腐葉土の中で繁殖する地上最強の蛾(コウモリガ)の存在である。現地ではこれを「コウモリのごとく大きくどん欲な虫」と言うそうだ。
こうした過激な生物環境のさ中で数千年にわたって無菌培養され、豊富なミネラルと腐葉土のエキスと強靱な昆虫の酵素と遊離アミノ酸を吸収したチベット冬虫夏草。この条件があってこそ4000年の間、漢方薬の頂点を極めてこれたのだろう。冬虫夏草の菌は日本でも台湾でも見られるが、これほど厳しい環境には育っていない。
一般的に、素晴らしいキノコを育てるには、適合した素晴らしい栄養環境(培養基)と培養環境(栽培技術)が必要である。漫然と育てれば、形だけが似た、ただのキノコに育ってしまう。
筆者の冬虫夏草は投与して72時間後に、がん細胞の95%を消滅させ、他社のものの減少は見られなかった。この試験から、弊社タイプと他社タイプには明らかな違いがあることが明白になった。
冬虫夏草を使用した漢方を取り揃える当社がQ&A形式でご質問にお答えします
日本の薬事法という法律では医療効果を表現する自由が与えられてないため、お隣の中国で5000年の昔から言い伝えられている効能効果について、お答えしましょう。文献の多くが滋養強壮・長命百歳と評しており、特筆されるのが楊貴妃の美容効果と北京五輪で51個の金メダルを取ったことで有名になったスポーツ能力向上効果です。また、弊社が実施した癌細胞阻害試験では1回の投与で95%の癌細胞が消滅したことが確認されています。
数億年前から、バッタやガ(蛾)など昆虫の異常繁殖をくい止めてきた天賦の備えとしても有名です。人類の歴史ではおよそ5000年の歴史があり、秦の始皇帝や楊貴妃も愛用したと伝わっています。
冬虫夏草とは、昆虫に寄生して栄養分を吸収しながら菌糸を育て、暖かくなると発芽して地上に姿を見せる子嚢菌門バッカクキン科のキノコです。歴史的には中国が本場ですが、世界では約440種類が発見されており、そのうちの360種が日本でも発見されています。
本来、冬虫夏草は中国南西部にあるチベット(自治区)に自生していましたが、乱獲と環境悪化が重なってほぼ絶滅しています。代わって人工栽培が始まりましたが、弊社の親会社にあたる(株)BGサイエンスが、本場中国に先駆けて日本で、大規模人工栽培に成功しました。2003年のことです。今は九州は鹿児島から埼玉県まで、各地に栽培基地が広がっています。
http://www.geocities.jp/kankyo119/gun.html
上記のページをクリックしてご覧ください。
冬虫夏草を素材とする漢方を販売する当社がお客様に新着情報をお届けします
ウイルスや癌の侵攻を阻止するにはフード・イノベイション
フード・イノベイション協会は冬虫夏草の販売や冬虫夏草が主原料のサプリメントを販売などは行っておりません。購入をお望みの方には栽培者直営の健康広場を紹介することが出来ますので、お気軽にご相談ください。
冬虫夏草(キノコ食品)の特徴として挙げられるのが、腸内細菌(乳酸菌)を増やす働きと酵素を生成することです。加えて、腸内細菌によって産生される免疫・美容・代謝・遊離アミノ酸・ヌクレオチドなどの生体維持成分が身体を優しく包んでくれます。優れた品種の冬虫夏草ですから、きっと皆様方にご満足いただけるはずです。冬虫夏草の栽培は過疎地を再生する
金色に輝く過疎地を築くプロジェクト
過疎の拡大は国家国民にとって、とても大きな問題です。平成23年度の総務省調査では国民の10%が過疎地に暮らしていることが分かりました。今後も過疎地は、どんどん広がってゆき、やがて大都市以外は殆どが人口減少に向かってゆくでしょう。政府の予測では、2050年には日本の人口が1憶人になるといっています。
人口が減少する地域では、交通網が途絶え学校がなくなり産業が消え、最も大きな問題は病院がなくなることです。
一方の大都会では人口が膨れ上がって、犯罪が増え、失業者とともに人手不足が深刻になり、物価が上がって住みにくくなります。病院には患者が溢れ、診察に何日も待機しなければならない状況になるでしょう。
(株)BGサイエンスでは過疎地で高齢者が冬虫夏草(分類)を栽培して、地産地消で地域の健康を取り戻すとともに、これを地域の産業にして都市部に普及してゆくプロジェクトを推進しています。
起業をするなら冬虫夏草
過疎地には、医療期間が遠ざかる危険性と高齢者比率が高まることから地域の国民医療費を押し上げる懸念があります。これを同時に解消するには、住民が地方行政と一体となって健康に対する認識を高めるしかありません。そして冬虫夏草をはじめとする薬用作物の地産地消を促進することによって住民自体が健康を取り戻すことで統合医療を進める政策の範となり、これによって「健康産業」という新たなチャンネルが過疎地に誕生することになります。これぞまさしく国策であり、過疎地再生の切り札となります。
冬虫夏草の栽培が始まれば、先ずその地域の住民から「健康に自信が持てる」と声が上がり、続いて販売が起業します。これを機会に都会との交流や連携が始まり、話題あふれる過疎地へと変貌してゆきます。この仕掛けをするのがコンサルタントです。コンサルタントには、特別の資格は必要ありません。起業をめざす方ならば、どなたでも手を挙げてください。